ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2008/04/07  (月) 

信立寺(甲斐霊場第54番)

日蓮宗の広教山信立寺があるのは、甲府市若松町。このあたりは予想以上にたくさんのお寺があって驚かされます。信仰心の強い地域だったのでしょうか。早くから開け、文化が栄えたからかもしれません。とくに若松町近辺にあるお寺は、こう浮上築城のときに移ってきたお寺であるようです。
 
立派な山門も本堂も比較的、新しい感じがするのは、やはり甲府空襲で焼失してしまったのでしょう。あいにく、お寺さんはお留守。庭には鮮やかな色のチューリップをはじめ、春の花がたくさん植えられていました。庫裏の入り口にも色とりどりの花壇が。きっと、花の好きな優しい方が暮らしているのではないかと思わせます。で、ここの境内でお弁当を広げさせていただきました。無断ですけど、お許しください。
 
信立寺は身延山久遠寺の宿寺として身延山と一体に扱われ、徳川の御朱印も身延山と一紙で与えられていたそうです。昔はすごく大きなお寺だったとか。武田信虎の帰依を受けて1522(大永2)年に身延山13世日傳上人が建立しましたが、上人が身延山に戻らず、このお寺で亡くなったことから、久遠寺の隠居寺ともいわれているそうです。 

 



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2008/04/06  (日) 

一蓮寺(甲斐霊場第53番)

一蓮寺の入り口はちょっとわかりにくくて、稲積神社へ迷い込んでしまいました。大きな神社で、セブンイレブンの新車の納品トラックがお祓いに……、んっ、お祓い? 鳥居? 一蓮寺は、そのお隣だったのです。目的地ではなかったとはいえ、これも何かのご縁ですから、お参りだけして、そそくさと立ち戻り、一蓮寺へ。神社の駐車場に堂々とクルマを置かせていただいたまま、しかも一蓮寺へは裏口から(^_^;)
 どうぞ安全運転で
一蓮寺は、武田信義夫人が尼となり、1312(正和元)年に一条道場と開いたのが始まり。当初、のちに甲府城となった一条氏の居館だった所にありましたが、その後、1594(文禄3)年(に甲府城築城のため現在の場所に移転したそうです。武田氏は一蓮寺を甲府に来た賓客接待の場として利用していて、「甲陽軍鑑」にも1566(永禄9)年には、和歌や連歌の会の会場として著名だったと紹介されているとか。
 
裏から失礼してしまった一蓮寺は静かで、お寺さんはお留守のようでした。立派な本堂は、やはり1945(昭和20)年の甲府空襲で焼かれ、1984(昭和59)年に再建されたもの。参道正面には毎日、朝と夕方に時を告げる鐘の音が鳴り響くという鐘楼がありました。 裏手の出入り口の角に赤い屋根の小さなお堂、「いしずえ地蔵」があります。甲府空襲のときに亡くなった人のうち300体以上を一蓮寺の庭で荼毘にふし、その慰霊のために造られたのが「いしずえ地蔵」なのだそうです。
  
本堂の前には「山梨県会発祥の地」と刻まれた碑が立っています。廃藩置県によって 地方の政治は「県」の単位で行われることになりましたが、日本でもっとも早く「県議会」を開催したのは 山梨県です。1877(明治10)年5月7日から14日まで開催された第1回山梨県会は一蓮寺の本堂が議場だったのだとか。全国で県議会が開催されるようになったのは、それより2年もあとのことです。  
 
それ以外にも防災活動で殉死なさった方の慰霊碑でしょうか、「甲府消防」の碑があり、公共機関と関係の深いお寺さんなのかもしれません。シーンと静まり返ったなかに、1本の桜の樹だけがはらはらと花びらを落としていました。



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2008/04/05  (土) 

千松院(甲斐霊場第52番)

第51番の遠光寺から歩いて5分ぐらいのところにある千松院。50番代の寺院は比較的、密集していて、歩いて霊場めぐりをする人にも便利です。JR甲府駅に近く、街中で激狭の道もないので、運転手的にもラッキーです。
 
千松院も1945(昭和20)年の甲府空襲で本堂などをすべて焼失してしまい、コンクリート造りで再建されたもの。山門も立派で、全体的に新しい感じがします。本堂の前には石造の聖観音像があるが、戦前には立派な観音堂があったといいます。 
 
釈迦如来をご本尊とする曹洞宗のお寺ですが、甲州水子水子地蔵尊として有名。本堂の脇にある水子地蔵の周辺には子どものおもちゃやぬいぐるみなどがぎっしりと置かれていました。この日は本堂から静かな読経の声が聞こえていましたが、ひょっとしたらお子さんを失くした方の法事かな……なんて。
 
16世紀半ばの創建で、お墓所には甲府勤番の武士たちの墓が多いとのことです。甲斐武田家が荒川の水難よけの寺として、建立したとか。甲斐百八霊場の52番であるだけではなく、甲斐府内33か所観音霊場の振り出しのお寺。江戸時代には巡礼で訪れる人々で賑わったといいますが、最近は、水子地蔵にお参りに来る人が多いそうです。



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2008/04/04  (金) 

遠光寺(甲斐霊場第51番)

暖かくなり、さまざまな種類の花の便りも聞こえてくるようになったので、甲斐霊場めぐりを再開しました。今日は、お天気もよくて、気持ちのいい甲斐散歩になりました。
 
51番の遠光寺に向かって中央高速を走り、釈迦堂PAにちょっと立ち寄りました。ここは桃源郷。桃の花の季節になると、眼下は一面、ピンクのジュータンを敷き詰めたようになります。PAから徒歩で縄文博物館へ上がっていけるのですが、この高台が絶好のビューポイントです。
 
でも、本日は、まだつぼみ。博物館の入り口で桃の予約を宣伝していた桃農家の方が、「あと一週間で絶対、咲かせて見せるから、来週また来て!」と言っていました(笑) はい。桃は来週にします。縄文博物館の庭では早咲き?の桃がもう白やピンクの花をしっかり咲かせていましたけど。実のなる木は来週のお楽しみ。
 
さて、甲斐霊場51番宝塔山遠光寺。甲府の駅からクルマで5分ぐらいのところにあります。甲斐源氏、加賀美遠光が1211(建暦元)年(1211)建立したお寺。 水害で何度か引越し、この場所に移ったのは16世紀半ばだそうです。
 
身延山久遠寺の末寺の一つで、釜無川の東側の巨摩、八代、山梨3郡の寺を差配していたという格式の高い寺です。終戦直前、1945(昭和20)年8月6日に甲府はB29による空襲を受け、街の70%近くを焼かれ、 このとき 遠光寺も焼失したそうです。
  
本堂が再建されたのは1970(昭和45)年。 従って 鉄筋コンクリート造りの近代的な感じの建物ですが、法隆寺の夢殿をイメージしたものだとか。通りに面した三つ門をくぐってと正面の本堂まで行く参道はサクラの並木。 あまり大樹はありませんが、春風にはらはらと花びらを散らしていました。保育園を経営しているようで、子どもたちの元気な声が……うるさい!(笑)



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2008/04/02  (水) 

ローマ字メール

トルコで友だちになったおじさまにお礼メールを送ったら、数日前に返信がありました。一度しか会ったことがなくて、今後も会う確率は非常に低い方とメル友になるっていうのも、なかなか楽しいなぁ、なんて(^_^;)
 
この方は母国語はもちろんトルコ語。フランス語は読み書き会話ができるらしいのですが、日本語は会話のみ。文字はやっぱり漢字があるからでしょうね、ほとんど読み書きはできないそうです。私は当然、日本語が母国語ですが、トルコ語もフランス語もまったく知りません。
 
では、こういう両者の間で、どういうメールが行き交うのでしょうか。英語って手もあるでしょうが、私も彼もカタコトで、辞書なしで英語でのやり取りはできません。相手は第4外国語で、こっちは第2外国語だっちゅーのに、実力が同じぐらいとは情けないけど(-_-;)
 
それは、Romaji de Nihongo o kaku no desu. 点字の分かち書きの要領ですが、ローマ字入力というのともちょっと違って、「私は」は、watashi ha ではなく、watashi wa となるわけで、これがけっこう面倒くさい(笑) 書くほうも面倒くさいのですが、読むほうもこれがけっこう面倒くさい。たぶん、頭の中で漢字やひらがなに変換しながら作業しているのでしょうね。
 
で、再び返事を書こうと思って、よく考えてみたら、先方は第3外国語でこれをやっているわけです。読むだけで、そうとう大変なのじゃないでしょうか。例えば、私宛に、英語をローマ字で書いて送って来られたら、読む気もしない(笑) 何度か読んで、頭の中で音にして、それから理解するって感じですよね。日本語は子音だけの発音はほとんどないので、英語をローマ字より楽だろうけど。
 
そんなわけで、この文通、なんだか長続きはしないような予感がしています(笑)



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長禅寺(甲斐霊場第58番)