知足の気まぐれトルコ紀行

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古い昔のエフェソスはアルテミス信仰で有名だったそうだ。紀元前7世紀頃から豊穣の女神アルテミスの神殿が建立されはじめている。この神殿建設は、リディアのクロイソス王によって始められ、建築期間約120年という信じられない長い年月を経て完成されたという。高さ19メートル、直径1.2メートルの円柱を127本もつこの神殿の壮大さは、世界七不思議の一つに数えられていた。
 
紀元前356年、アルテミス神殿に放火すれば後世に名が残ると考え、放火した輩がいたそうだ。その放火によって神殿は全焼。当時のエペソスの市民は｢そうはさせまい｣と記録にこの男の名を留めないようにあらゆる記録からその名前を削ったが、結局、｢ヘロスタトス｣という名が伝わってしまった。彼にすれば｢思うつぼ｣だったようだ。そういえば、日本でも金閣寺に放火した輩がいたような。いつの時代、どこの国でも、妙なことを考える輩はいるものである。
 
7回破壊され、7回再建されたというアルテミス神殿、いま残されている遺跡はローマ時代に建てられたもので、1本の円柱が建つのみ。遠くから眺めるだけなのと、知識のないものから見れば似たような遺跡がいっぱいで……(-_-;)
 

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