知足の気まぐれトルコ紀行

早朝にチャナッカレを出発して、フェリーでダーダネルス海峡を渡り、イスタンブールへ向かう。9時にラプセキ港を出るフェリーに乗る予定だが、フェリーは時間にならなくても満杯になれば出港してしまうとか。しかも、これに乗れなければ、次は2時間待ちだという。そりゃあ、急がなくっちゃ！

ガイドのバシャックさんいわく｢トルコ時間なので｣。時間にアバウトだという意味で｢トルコ時間｣と言ったが、これが世界標準なのではないかと。東京のように3分おきに電車が来て、5分も遅れようものなら｢大変ご迷惑をおかけしております｣なんて連呼するような国は他にないような気もする。あまりあっちこっち行ったことはないのでわからないが、日本に来た外国人が口を揃えて｢びっくりした〜｣と言っているところをみると(笑)

7時にホテルを出発して、ラプセキ港に到着するとそこにはもう、船を待つクルマの列。乗用車あり、バスあり、大型トラックあり、そろそろ乗船は開始されるようだ。列が動き、ゲート抜けて乗船。と、私たちが乗車するバスの1台前でいったんゲート閉鎖。え？　すると再びゲートが開き、前のクルマが乗船。次は私たちのバスだというところで、ゲート閉鎖。

ドライバーのムスタファさんとガイドのバシャックさんがバスを降りて何ごとか一生懸命に話をしている。もう一台、乗せてほしいと交渉している模様。ダメだと言われている気配が伝わってきて、こっちまでドキドキする。ぜーんぜん無理というなら、あきらめもするが、目の前でのゲート閉鎖はなかなか痛い。

と、ゲートが開き、乗せてくれるようだ。こういう場合、完全に物理的なものなので、突然のＯＫは返って不思議。バスが進んで船の入り口に到着すると、なるほどちょっとだけスペースが空いているが、大型バスが入れるのか？　トルコ語での交渉の過程はまったくわからないが、推測するに、スペースをみたムスタファさんが｢大丈夫だ、試させろ｣とでも言ったのか？

そして、バスは左右3センチぐらいの隙間を残して、乗っちゃった！　見守っていた周囲の係員から拍手が沸いたくらいの絶妙なコントロールである。おかげさまでバスの乗客は無駄な待機時間がなくなり、潮風に吹かれて心地よくダーダネルス海峡を渡ることができた。あとで聞いた話によると、ドライバーとガイドさんは｢もっと早くホテルを出発したい｣と言ったのだとか。それを添乗員が｢お客さんに迷惑｣と止めて、7時出発になったらしい。ムスタファさんのテクニックにより乗れたからいいようなもの、2時間待たされるなら30分早起きしたほうがまし。それまでだって、けっこう早起きだったんだから。現地のことは現地人のおっしゃる通りにしたほうがいいよねぇ。

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