知足の気まぐれトルコ紀行

トプカプ宮殿のもっとも見所といえば、スルタンのいたところではなく、高級の女性たちが住んでいたハレムだろう。アラビア語で、｢聖域｣とか｢禁じられた場所｣というような意味を持つ言葉が語源だとか。男子禁制なのは大奥と同じ。
 
入り口を入るとハレムの警備を担当した宦官の部屋がある。人形が飾られてるだけだが、彼らは貢物として差し出されたヌピア出身の黒人だそうだ。中国でも宦官はあったが、女性を警備する人を去勢しちゃうっていうのは、すさまじい。
 
ハレムは最初に男の子を産んだ順に１番目から4番目の妻が住むところと、そのほか大勢の住むところがあったそうだ。大奥とちょっと違うのは、妻は4人だったこと。まあ、愛人はいたのかもしれないけど(笑)　
 

  
イスラームでは、妻は4人までＯＫだけど、その4人を平等に養い、大事にしなければならないという掟があるそうだ。4人をきちんと養えないようなら1人にしておけ、というのだとか。鼻の下に定規を当てたくなるようなスケベオヤジが考えるようなハレムとはちょっと違うようである(笑)　当時、戦争に次ぐ戦争で男の数が不足気味だったのと、結婚相手が戦死したり、未亡人になったりした女性を救済するためだったというが……。いまの感性からすると、なんだかなぁ〜という感じ？
 
それはともあれ｢ムラト3世の間｣の鮮やかなイズニック･タイルや豪華絢爛な浴室、素晴らしい壁画、美しいステンドグラスなど、ハレムの室内装飾には｢あんぐり｣という感じである。こういう場所に住んでいた人々は、どんな暮らしをしていたのだろう。まあ、贅沢な暮らしが幸せとは限らないんだろうけど(^_^;)

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