知足の気まぐれトルコ紀行

水ではかなり苦労があったイスタンブールの旧市街には、地下の貯水池が何か所が発見されているらしい。｢地下宮殿｣と通称されるこの貯水池は、4世紀から6世紀頃に造られたものだそうだ。
 

本名はイェニバタン･サルヌジュ、トルコ語でイェニ(地に)、バタン(沈んだ)、サルヌジュ(貯水池)という意味だそうで、まさに、まんま。ビザンツ時代にもオスマン時代初期にも地域の水がめになっていた。アタチュルク通りを走ると見えるヴァレンス水道橋からここへ引かれていたという。
 
縦140メートル、横70メートル、高さ8メートルあるそうでで、コリント様式の柱がたくさん立って、天井を支えている。250本近くあるらしい。いまでも柱はしっとりして、池には水が溜まり、時おり天井からぽたりと水がたれてくる。
 
一番奥に逆さまになったメドゥーサの顔。かなり不気味な感じで、あまり長く眺めていると本当に石にされてしまいそうだ。実用的な貯水池で、しかも地下にあるわけだから、人に見られることを意識したものではなく、その辺の宮殿を改装したときにいらなくなった柱を持ってきたとか。
 
ここは映画『007 ロシアより愛をこめて』の舞台になったところだそうだ。007の2作目で、ここを走り回ったのはショーン･コネリー。残念ながら、私は観たことはない。帰ってから、連れはレンタルＤＶＤを借りに走った(笑)。1964年の公開。石畳はまだなく、イスタンブールの街並みもずいぶん変わったと感じられたと言っていた。機会があったら、私も観てみたいなぁ。

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