知足の気まぐれトルコ紀行

夕闇が迫ってくる頃、ガラタ橋に舞い戻る。金角湾をまたぐこの橋を渡れば、ホテルのある新市街へ。ここは古くから渡し舟で往来されていたが、1836年に跳ね橋のガラタ橋が建設され、両岸がつながった。
 
この橋を歩いて渡ってみることにする。橋の両側は釣り糸を垂らしている人がぎっしり。ひとりあたりのスペースは1メートルもない感じで、肩を寄せ合って釣りをしてる。みんなに行き渡るほど魚がいるのだろうか？　

釣った魚は、バケツや大きめのペットボトルのようなものに入れている。へぇー、けっこう釣れているようだ。小ぶりの魚が多いが、中にはかなり大きいのを釣り上げた人もいる。｢大きいねぇ｣と覗き込んでいたら、自慢そうにバケツから出し、写真を撮れという人あり。釣り人って、どこへ行ってもそういう感じなんでしょうね(笑)
 
旧市街側は、焼きサバのにおいが立ち込めている。船の上でサバを焼き、陸上にサバサンドを送って商売をしているようだ。昔は橋から釣り糸を垂らして釣ったサバのサンドイッチが名物だったようだが、いまは釣り人とサンドイッチ売りはまったく別系統のようだ。
 
これだけ釣り人がいれば、当然、｢ボウズ｣っていう人も現われてくるはず。新市街側の橋の下には魚市場があった。ここで魚を買い、｢今日は、こんなに釣れた｣と家に持ち帰り、奥さんに｢これは今の季節の魚じゃない｣と笑われる人がいる、とは、バシャックさんの解説。ありそうな話で笑ってしまった。

その魚市場を見に行ってみた。とても橋の上からは釣れそうもない大きな魚もたくさんあったが、橋で釣っているのと似たような人相の魚もピチピチと跳ねていた。これなら、バレなくてもすむ？　袋にいっぱい買っている人を何人か見かけたが、ボウズだったのかな。

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