歴史民俗資料館
しばらくは交通量の多い国道17号線、いまの中山道を歩かなくてはなりませんが、しばらくいくとまた旧道が現れます。ガソリンスタンドの脇を入っていくと、ここが蕨宿のメインストリートだったあたり。ちょっとだけですが、古い家なども残っています。古いとはいえ明治とか昭和初期とかでしょうけど(^_^;) 郵便局の先に「市立歴史民俗資料館分館」という建物がありました。
門から覗くと、なかなか素敵なお庭が見えます。入場無料なので(笑)、お邪魔させていただくことにしました。明治時代に織物買継商の商家だったものを改装して資料館として公開しているものです。中山道に面した店舗の部分は、1887(明治20)年に建てられたものだそうです。 靴を脱いで、いろいろな部屋も見せていただけます。和室には「進徳脩業」と書かれた渋沢栄一直筆の書が飾られていて、知らん振りして帰ろうとしたら、係の方に「ぜひ、見て行ってください」と声をかけられました。「直筆なんです」とちょっと自慢そう(笑)
渋沢栄一って、この辺の人だったかな? と、その関連性にまったく見当がつきませんでした。あとで調べてみたら、この家に住んでた金子さんって人が、渋沢栄一の研究家で、たくさんの資料を収集していたという関連のようです。金子吉衛さんは蕨市長もなさったことがあり、渋沢関連の著書もあるとのこと。なんだか渋沢栄一にはずいぶん遠いような感じはしますが、お庭が素晴らしいので、その件は忘れます(笑)
この道をまっすぐいくと、次に本館があります。こちらは普通に近代的な資料館で、宿場と織物に関する展示がありました。模型や人形を使っての郷土に関する情報を提供しているという感じ。蕨って、織物の街だったんですね。はたおり機や江戸の庶民が旅している風情や宿などが再現されていて、なるほど・ざ・資料館です。この歴史民俗資料館の周りには本陣跡などの石碑がありますが、いずれも真新しい感じで、「そうですか」、「そうですよね」という感じで通過〜。
戸田の渡し
河原から旧中山道ではないかといわれている道へ階段を降りていくと、水神社がありました。この神社がいつ頃できたのかはわかっていないそうですが、正面の「水神宮」の碑には1796(寛政8)年と銘が刻まれているので、18世紀以前であることは間違いのないところでしょう。もともとは、もっと川っぺりにあったものを新しい堤防を作るためにいまの場所に移されたそうです。昔は、その年にはじめて採れたきゅうりをこの水神社に供え、この後、荒川に流してからでないと泳いではいけないとされていたとか。なぜ、きゅうり? 川ときゅうりの組み合わせは、どこかに河童伝説でも隠れていそうですが、そんな説明はなかったです。残念だなぁ(笑)
説明板に獅子頭が有名だと書かれていましたが、普段は見られません。7月中旬に行われる祭礼には飾られるのだとか。ちょっと、日程的に惜しかったですねぇ。でも、真夏に中山道なんか歩いたら日干しになりそうですから(^_^;) 大きくて美しい獅子頭だそうで市の指定文化財となっています。 この神社の脇の道が旧中山道らしき道なのだそうです。古い建物もなく、まぁ、単に道ですが、きれいに並木が整備されていて、歩くには快適でした。
総泉寺&薬師の泉
中山道4回目のそぞろ歩き。今回は都営地下鉄三田線「志村坂上」駅からのスタートです。前回、巣鴨からここまで歩いたわけですが、地下鉄に乗ったら、けっこうな駅数がありました。その上、実はここから上板橋まで歩いたりして、これは頑張りすぎ! 翌日、足にマメができていたくらいです。今回は加減して歩くことにしましょう。志村坂上の一里塚を通り過ぎると、最初に出会うお寺が妙亀山総泉寺です。
大きなお寺で、しかも工事中のようでけっこう殺伐とした感じ。ひと気が感じられないからかもしれません。このお寺は当初は浅草にあって、江戸時代には青松寺(港区愛宕)、泉岳寺(港区高輪)とともに曹洞宗の江戸三箇寺のひとつだったそうです。道元さんのところですね。1923(大正12)年の関東大震災の被害を受け、1928(昭和3)年にもともとここにあった大善寺に間借り。その後、合併して現在に至るというのですが、大善寺だって15世紀末の開山の、「江戸名所図会」にも載るほどの有名なお寺なのに? 合併後の名前が総泉寺では、大善寺さんにしてみれば、軒先貸して母屋取られる状態?(笑)
かつて境内だったところに湧き水があり、米将軍吉宗さんお墨付きのおいしいお水で、吉宗さんが「清水薬師」と命名したといわれます。いまは「薬師の泉」という名前で、緑豊かな公園として残されています。いまは、湧き水は涸れているそうです。大雨の後などにちょろっと湧くこともあるらしいのですが、残念ながら飲み水としてはアウト。公方様も嘆いているかもしれませんね。かつて中山道を歩く旅人のオアシスだったところも、いまは爆音をたてて通過するクルマには見向きもされず、ひっそりとしたたたずまいを見せています。
この「薬師の泉」の17号線(中山道ですけどね)をはさんで向かい側ぐらいに旧中山道「清水坂」があります。清水坂にはかつてお地蔵さまが安置されており、子育て地蔵として信仰されていたそうです。江戸時代は家もほとんどないような山道で、中山道の最初の難所といわれていたのだとか。ここからは、冨士山が右に見えたため東海道の「左冨士」に対し、こちらは「右冨士」と呼ばれていたそうですが、いまや当然、右にも左にも富士山は見えません(-_-;)
森の水
能書きでは500ccの水が1時間で-200mv以下の還元水になるそうな。一般的な水道水で+200〜+600、ミネラルウォーターで+200というのですから、かなりすごい数字です。なんかいろいろデータがくっついているけど、ちゃんと読むのはめんどくさ〜(^_^;) この精製材は、ちっちゃな袋ですが、水の中にある塩素や他の元素を吸着し、水中の菌類を抗菌し、水とミネラルを含んだ還元水へと精製する働きがあるそうです。ちゃんとした還元水になるまで1時間ほどかかるそうなので、水を入れてから1時間待つのだぞ(笑)
ただ袋入れたボトルに水を入れるだけなので、出先で飲みきってしまったら、またそこらぺんの水をもらって入れて、1時間待てばよいのです。いまはまだちょっと涼しいので、街を歩いていてもそうそうは水を飲むことはありませんが、これからはちょっとで歩けば、1日にペットボトルの1本や2本は飲んでしまいます。公園の水のみ場でも水を足せばよいというのは役に立ちそうではあります。よい水を入れるほど短時間で精製できるので、飲み終わらないうちに継ぎ足したほうがいいのだとか。
1日に2リットル飲むと、血糖値が下がるとか、血圧が下がるとか、アレルギーが改善するとか、能書きはいろいろ言っていますが、そういうのは個人差があるものなので効果のある人もいれば、感じられない人もいるでしょう。そういう能書きは別として、この水、おいしいんですよ、実際。ちなみにこれでお酒を割って飲むと、吸収がいいのではやく酔っ払っちゃうそうな。安上がり? 吸収がよすぎるから、この水で薬を飲むのはやめたほうがいいそうです(笑)
1袋で3ヵ月もつのだそうです。8,000円、1ヵ月あたり2,700円弱なので、ミネラルウォーターのペットボトルを毎日、飲むことを考えたら安いです。これまで還元水といえば、ン十万円かけて、自宅に設置するという感じだったので、安くて持ってあるけるというのはかなりのアピールポイントではないでしょうかね。3ヵ月後ってメモしておかなくても、だいたいその時期がくると、水の味が変わってというか、変わらなくなってというか、元の水道水の味になるので換え頃は自然にわかるのだとか。私はまだ飲み始めたばかりなので、3ヵ月後にこれを実感することになるのでしょうか、楽しみです(^_^;)
昨年まではペットボトルはお茶派だったのですが、代謝をよくするためには水でなければダメと聞いて、このごろはあっさり水派に転向していました。これからはミネラルウォーター派から、さらに還元水派に転向(^_^;) コストが安くておいしいなら文句はありません。これで老化防止になるなら、なお、けっこうですね(笑)
庭園美術館
JR目黒駅からほど近いところに、緑の濃い一角があります。庭園美術館です。いま「エカテリーナ2世の4大ディナーセット」という磁器を展示中。国立エルミタージュ美術館からやってきたもので、「ヨーロッパ磁器に見る宮廷晩餐会」というサブタイトルがついています。庶民にはまったく無縁のもので、「へぇ〜、ほぉ〜」ぐらいですが、この辺りにお住まいのシロカネーゼなる貴婦人たちには身近なものなのでしょうかね?
東京都庭園美術館は1933年(昭和8)年に朝香宮邸として建てられた建物を、そのまま美術館として公開したもの。戦後は、外務大臣・首相公邸、迎賓館などとして使われたこともあるとか。1983年(昭和58)年に庭園美術館として公開されました。
18世紀のロシア宮廷、女帝エカテリーナ2世の時代は、衣食住にわたって「エルミタージュ・エチケット」と呼ばれる礼儀作法が決められていて、料理はもちろん、テーブルセッティングや室内装飾、列席者の服装にまでいろいろうるさい規定があったとのこと。ヨーロッパ各国の王立窯などにディナー・ウェアを特注して、テーブルを豪華絢爛に飾った、そのディナーセットが見せてもらえるのがいま開催中の特別展です。
美術館に入るには別途入場料が必要ですが、庭園だけでも楽しめます。庭園だけなら入場料が200円。喫茶店などで待ち合わせるより、ちょっと優雅かなと思いました。中は洋風庭園と日本庭園に別れていて、そこここにベンチも設えてあるので、単なるおしゃべりタイムには健康的かもしれません。すぐ近くを高速道路が通っているので静かとは言えませんが、木々に囲まれているとなんだか静かなような気もしてくるから不思議です。
日本庭園には定番の池と、こじんまりした茶室があります。いまは使用していないようですが、申し込めばお茶会が開けるようになっているのではないでしょうか。小さな流れが水音を響かせていて喧騒の中にいながら喧騒を忘れさせてくれるようです。
洋風庭園は、ちょうどバラが終わってしまった頃でしょうか。芝生ではバギーを降りた小さな子どもたちが駆け回っていました。ご近所の若いお母さんたちには、安心して子どもを遊ばせることのできる貴重なスペースなのかも。字の消えかかったようなプレートがついているオブジェもいくつか。
「わっ、白髪の花だ!」なんて、思ってしまったのは白ネム。垂れ下がっているのはもう花も終りというところで、白髪のまま、ぽそっと地面に落ちていたりします。なんだか身につまされるような……(^_^;) 個人的にはおしゃれな建物よりも美しい食器よりも、なんだかぼっさぼさという感じの大きなイチョウの木が気に入りました(笑)