ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2007/11/28  (水) 

小網神社「どぶろく祭」

名前にひかれて、小網神社のお祭りに行ってきました。どんなお祭だろうと思ったら、お参りした人に巫女さんが「どぶろく」をふるまってくれるというものでした。次の年の豊穣を祈願するために収穫された米と一緒に「どぶろく」を作って神に供える風習をもつ神社は小網神社ばかりではなく、全国にはいくつか例があるようです。

 
そんなに大量にふるまわれるわけではなく、一口ですが、けっこうきついお酒のように感じました。朝から何も食べていない日の午後遅くで、単にすきっ腹にきくぅ〜というだけだったかも(笑)
 
この日は神楽も奉納されるのですが、その時間にはちょっと間に合いませんでした。でも、舞は見られなくても演奏だけは聴けました。ビルとビルの間に挟まれたような予想以上に小さな神社でしたが、建物は尾州桧造の神社建築といって、中央区には現存するものが少なく、区の文化財になっているそうです。5〜6人も入れば社と鳥居の間の境内は満員という感じですが、次々とお参りに来てどぶろくをいただく人で賑わっていました。
 
ここではススキの穂で作られた強運厄除のお守り「下町のみみずく」がいただけます。「どぶろく」付きというのもありました。人と待ち合わせたのがちょうど宝くじ売り場の前。待ち人がちょっと遅れたので、思わず宝くじを買ってしまいました。何年ぶりかなぁ。小網神社でパンパンしてきましたが、はたしてご利益はあるでしょうか?



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2007/11/27  (火) 

難読地名

甲府市内を走っていると「右左口」という交差点にさしかかりました。えっ? 信号の下に欧文が入っていますが、それを読むと「Ubaguchi」。うばぐち? 右と書いて「う」は許します。口は当然「くち」です。しかし、左が「ば」ですか? これは許せない(笑) 「ざ」なら許せるという感じですが。衝撃を受けて、思わず車窓から写真を撮ってしまいました。まったく地名、人名というのは本当に難しくて、ローマ字に教わることも多いです。
←証拠写真(笑)
帰って調べてみたのですが、山梨の難読地名には必ず登場してくるような名のようです。由来はわかりませんでした。「うば」は乳母とか姥とかの当て字なのかと思いましたが、そういった伝説が周囲にあるようでもなさそうです。真剣に追い求めたわけではないので、実際のところはわかりませんが(^_^;) どなたかご存知なら教えてほし〜!<安易ですね、この発言は(笑)
 
そして、その右左口を右に曲がるようにナビにいざなわれ、精進ブルーラインという道をひた走りました。途中に上九一色農産物直売所を発見。店頭に広げられている野菜にひかれてクルマを停めました。そういえば、上九一色だって、かなりな難解地名ですよね。しかし、いまでは全国の人が読めるでしょう(笑) 直売所の方に、「上九一色」と聞くと、反射的に「サティアン」というのを思い浮かべてしまいますねと言ったら「有名になっちゃってありがたいです」ですって。「へ?」、怒られるかと思った……。「地元の人が悪いことしたわけじゃないし、みんながこの土地を知ってくれるなら、なんだっていいんですよ」と笑ってらっしゃいました。そんなものかも(笑) 大根とブロッコリーとねぎとたくわんを買いました。
 
ここの小さなパーキングから眺めた四方の山がとてもきれいでした。いつも地面ばかりみながら生活しているタイプで、あまり自然に親しむことがない私でも、ああ、山はいいなぁ、きれいだなぁ、こんな山里で暮らしたいなぁ、なんて思ってしまうような風景です。こんな景色に囲まれているのだから、「なんだっていいんですよ」という心持ちにもなりますよね。山に緑があり、紅葉している木々があり、青い空があるってだけのものですが、本当に日本に秋があってよかった!と思わせるような美しさでした。
  
こののどかで美しい山里を見せたかったのでしょうか。ナビに従ってさらに進むと、道を外れてどうしようもなく狭い道をウロウロさせられ、あげくに来た道を戻り始め、そして「右左口」に到着し、また左に曲がれと。さっき来たとき直進すればよかったんじゃん! という結末。その先に、確かに目的地はありました。しかも、すぐそこに(-_-;)



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2007/11/26  (月) 

瑜伽寺(甲斐霊場第43番)

無碍山瑜伽寺、「むげざんゆかじ」、ずいぶん難しい名前のお寺です。無碍とは「障りがない」という意味だそうです。瑜伽は、「ゆが」とも読み、インドの瑜伽教、「ヨーガ」につながる言葉なんだとか。お寺の名前といえば「福」とか「慈」とか「光」などという字がつくのが多い中で非常に珍しい寺名です。715(霊亀元)年(715)に開かれた寺で、向嶽寺派の中ではもっとも古いお寺だそうです。
 
本堂の作りも変わっている……、というより、あれこれ付属品がなくてシンプルに昔のお寺そのものという感じなのかもしれません。ちょっと神楽殿かなにかを下から見上げているような。
 
この寺には封印された箱が伝えられていたそうです。開けてみると、中には渡金を施された泥の固まりが……。奈良時代に多く作られた、いわゆる「どろ仏」なのだそうです。すっかり崩れていて復元は不可能なのだそうですが、山梨県内では最古の仏像とのこと。奈良時代の塑像の分布はこれまで奈良付近だけと言われていましたが、1992(平成4)年の発掘調査で瑜伽寺境内西側のからも奈良時代の遺跡が見つかったことから、この塑像がここで作られたことが想像でき、学術的には非常に貴重なものとなっているとのこと。やはり甲斐は、奈良時代から仏教文化の水準が高かったということの証。断片のうち24個は東京国立博物館に納められ、残りは瑜伽寺に保管されているそうです。復元できれば、像高は85センチ前後になるといわれます。
庫裏の庭では小坊主かせっせと落ち葉をはいていました?



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2007/11/25  (日) 

定林寺(甲斐霊場第42番)

定林寺は、山門をくぐると左手に観音堂、五重塔、大きなカヤの木、日蓮袈裟かけの梅、祖師堂などがあり、右手の江戸時代に作られた心字池のほとりにはかつての鐘つき堂を使ったという茅葺きの東屋がある庭園になっています。静かで広々として、絶好の散歩コースになりそうです。
  
正面にある本堂は1998(平成10)年(1998)に全面改築されたとのことで、真新しく立派です。本堂の前に、これを回せばお経を読んだことになるという、お経の漢字なんか読めなーいという私のようなものにはありがたいマニ車が設置されていました。以前にテレビでブータン紀行をやっているのを見たときに、このマニ車がたくさん出てきました。ブータンでは縦に置かれていたと記憶していますが、こちらは横向き。内容は日蓮宗の基本的なお経だと同行の生臭坊主が教えてくれました。本物の住職さんはこちらもお留守でしした。
 
妊婦を守ってくれる日蓮ゆかりの双子塚があり、子どもがほしい人は石を持って帰るという子授けの石もあります。妊娠したら、この石は返さなければならないそうです。かつては徳川家の安産の祈願所であったそうで、大奥からのお礼の品も寺宝として残っているそうです。春には双子塚のご例祭で多くの子どもによる稚児行列が行われ、秋には小学生による舞が法のされるのだとか。子どもに縁の深いお寺なのでした。

 



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2007/11/24  (土) 

広済寺(甲斐霊場第41番)

奈良原という地名を頼りに広済寺へ向かいました。道沿いに小さな休憩所のようなをものがあり、初老の男性が日向ぼっこをしていたので道を聞きました。お寺はすぐそこと言って教えてくれました。「赤い屋根が目印だから、それに向かって行けばいい」。狭い道を通り、赤屋根を目指していざ出陣! 到着しましたが、赤い屋根は庫裏で、しかも裏へ出てしまいました。道は行き止まり。また、バックですか〜(-_-;) とりあえず、クルマを降りて裏からお参りさせていただくことに。
 
鐘楼の周りに南国の木? なんだか不思議な雰囲気の漂うお寺です。どういう理由かうかがってみたかったのですが、お寺さんはお留守でした。お墓所で石屋さんが作業をしているので、遠くへ行かれたわけではなさそうですが……。
  
広済寺は、1409(応永16)年(1409)に武田信春が、向嶽寺の流れをくむ禅寺として中興したそうです。それ以前は天台宗の寺院だったといわれますが、わかっているだけでも600年近い歴史があるんですね。かつては向嶽寺派二大寺の一つとして栄えたそうです。明治初期の台風で本堂と山門が倒壊、本堂は1975(昭和50)年、山門は1979(昭和54)年に再建されたものですが、鐘楼だけは江戸末期のものが残されています。
 
お参りしてクルマに戻り、ちょっと広い道までバック、来た道とは逆のほうへ下りました。すると山門が……。なーんだ、こっちが正面ではありませんか! 山門の脇には大きなヒイラギがあたりを睥睨しています。市の文化財だそうですが、花をつけていました。花が咲いているヒイラギというのははじめて。クリスマスリースになるものとは別のものなのでしょうか? 樹木全体がぼーっと白くかすんでいるような風情で、辺りにはいい香りが漂っています。



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二の酉「鷲神社」
安国寺(甲斐霊場第47番)