ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2007/11/20  (火) 

慈眼寺(甲斐霊場第38番)

慈眼寺は矢印が曲がっていたために一回りはしたものの、比較的わかりやすいところにありました。周りは桃や葡萄の畑で大きな建物がないので、こんもりとした木のかたまりのあたりがお寺かなと見当がつけやすかったからかもしれません。
 
入り口には古めかしい鐘楼門が立っています。小さめですが、さまざまな装飾が施されています。鐘楼門ぐらいで驚いてはいけないという感じで、奥の本堂はどっしりとして威厳があり、右手の庫裏は茅葺屋根です。庫裏と本堂の一部は1997(平成9)年に大修理を行ったそうで、庫裏の前にはつるべ式の井戸も復元されていました。実用としては使われていないもようですが。
 
鐘楼門、本堂、庫裏とも17世紀半ば、江戸初期の建築物で、いずれも入母屋造りと呼ばれる建築技法です。国指定の重要文化財に指定されているとのことでした。 慈眼寺の発祥はよくわかっていないそうですが、15世紀後半の文明年間に中興され、武田の祈願所として発展したものの、16世紀後半に織田勢に焼かれ、17世紀半ばになっていまの建物が建てられたそうです。
 
庭には四季折々の花が植えられ、東屋で休憩もできるので、葡萄狩りや桃の収穫に訪れた観光客もときおり訪れているとのこと。いまは桃も葡萄もありませんが、境内には大きな柚子が実をつけていました。ほんのりした香りに誘われて、御朱印をいただいた大黒さんに、図々しくも「分けていただけませんか?」とお願いしてみました。
 
「ご近所の方が楽しみにしていらっしゃるので、たくさんはだめですが……」」とおっしゃって、それでも五つももいでくださいました。代金を支払いと申し出たのですが、受け取っていただけず、新鮮な柚子をいただきっぱなし。ありがとうございます。柚子の隣には柿がたわわに実をつけていて、これは干し柿になるものだそうです。そういえば、お庭にむいた柿の皮も積まれていました。甲州はどんな季節もフルーツの里なんですね。



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