ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2007/11/09  (金) 

西念寺(甲斐霊場第30番)

国道139号線を通って金鳥居を過ぎ、北口本宮浅間神社が見えてきました。あら、ここは吉田の火祭りのときにずいぶん行ったり来たりした道です。お祭りのときと違って、街は静かで、この道もやけに遠く感じます。お祭りのときはまったく気がつきませんでしたが、吉積山西念寺は浅間神社のすぐそばにありました。
 
「時宗 富士道場」と書かれた板がかかる冠木門様式の山門の正面に本堂が見え、開け放たれています。ここは平地でちゃんと駐車場もありますが、やけにたくさん車が止まっていました。どうやらこれから法要が営まれるようです。と、小さな子どもを連れた若いお母さんたちがぞろぞろ出てきて、どんどんクルマは出て行き、がら〜ん。法要もあるようでしたが、どうやら幼稚園の説明会があったようです。幼稚園は本堂のずっと奥らしく、気づきませんでした。
  
「富士道場」の額がかかっているように、719(養老3)年に行基が富士山で修業したときに、この地に堂をつくり富士道場としたのが始まりといわれます。その後、1298年(永仁6)年に時宗の僧が布教のために立ち寄り、時宗の道場にしたそうです。時宗というのは聞いたことはありますが、時宗の寺院を訪れたのははじめてです。
  
富士山信仰は浅間神社ばかりではなく、この西念寺とも関係は深く、江戸時代の富士講の人々は西念寺精進場で身を清めてから富士山に登ったそうです。吉田の火祭りのときには富士山型の神輿が浅間神社からお旅所へ行きますが、このお旅所では西念寺の住職が正装して門前に迎えるのだそうです。火祭りに来たときは、お旅所は混雑のため敬遠だったので、そのお迎えを拝見することはできませんでした。というか、 その気なし?(笑)
 
山門脇にある薬師堂には霊験があらたかといわれる「西念寺薬師」が納められているそうです。鎌倉期の作で、県指定文化財だとか。一般の参拝客はこういうものをナマで見せていただけるチャンスはほとんどないのが残念です。



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称願寺(甲斐霊場第34番)