ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2007/09/19  (水) 

向嶽寺(甲斐霊場第12番)

臨済宗には向嶽寺派という宗派があり、ここがその本山です。ご本尊は釈迦如来。塩山駅の北にあるのが「塩の山」で、この南麓に塩山向嶽寺はあります。いかにも修行のお寺らしい雰囲気で、山を背負っているところに貫禄を感じました。
 
外門を通り抜けると木立に囲まれた長い賛同があり、後ろに開山堂を背負った形で仏殿があるのが珍しい風景かもしれません。書院など大きな建物がならんでいますが、境内は人気がなく静か。なんとなく物見遊山の人は拒んでいるような気配がただよっているような気がしたのは考えすぎでしょうか。
 
1378(永和4)年(1378)、この近くに抜隊禅師が小さな草庵を結んだのがはじまりといわれます。その後、武田信成から現在の土地が寄進され、新しい草庵が建てられたそうです。この地から南の方角に富士山(富嶽)が望めるところから向嶽庵と名づけられ、のちに向嶽寺となりました。
 
向嶽寺が背負っているのが塩山という山ですが、これは古今和歌集に歌われた「志ほの山 さしでの磯に すむ千鳥 君が御代をば 八千代とぞなく」という歌に由来するそうです。塩山市という地名はこの山の名に因んでいますが、向嶽寺の山号も塩山。この地を象徴するようなお寺ですね。 
 
境内には深い緑に囲まれた放生池があり、木の橋に風情があります。本道の裏手には1994(平成6)年に国の名勝に指定された庭園があります。1990(平成2)年に発掘調査が行われるまでは埋没した庭園だったそうで、ほぼ造られたときに近い状態で発掘されたそうです。山梨県に残る古庭園の典型、さらには日本の伝統的庭園の歴史を伝えるものとしても重要な庭園だそうですが、この日は入ることができませんでした。残念!
  
それと、つまらない疑問なんですけど、このお寺の前の信号が「向岳寺」となっているのはなぜ? 固有名詞には略字なんか使わないでほしいんだけど(笑)



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